咳が止まらない

中途半端なおたくのOLのブログ

推しのすごいと思うところを語る

一部のおたくがSNSに書き綴る推しの対応の自慢話をほかのおたくが叩いたり、それが発端となって派閥が出来ていたりするのは良く見るが、それ以外であいつはオキニだとかオキラだとか、そういう話が殆どないのは推しの素晴らしいところだと思う。

 

傍から見ていて「あの子絶対お気に入りだよね」っていうのがほとんどわからない、というか、無いのだ。


もちろん全員に同じ対応というわけではない。おたくの年齢層も幅広いので、自分より年上の女性(現場にはもちろんおばさまもおばあさまもいる)と年下の女性に対する接し方は違うだろうし、顔なじみとそうでないファンへの接し方も違うけど、それは神対応とか塩対応とかではなく、あくまで人間というか、自然なコミュニケーションとしての対応の差でしかない。

そりゃ、通えば顔なじみにはなる。ごく一部は名前も覚えてもらっている。モブ→顔なじみ→名前がわかる、というファンのランクはあれど、そのランクの中で突出することはできないし、そういう対応なのだ。
推しのそういうところが大好きだし、アイドルにものすごく向いていると思っている。

 

みんな平等、だけどおたくはどうにかして自分は特別だと思いたいものだ。そして、特別になる方法は2つ。自分を上げること、他人を下げることだ。イッツソーシンプル。

 

そうやって繰り広げられる特別になりたい合戦は見事なまでの自家発電である。
本当は誰かに「あの子はオキニだ」と言われたいけど、推しの対応は変わらないのでじっとしていてもオキニ認定はされない。
そこでなんとか羨ましがられるように、推しが言ってくれたことや、ファンサしてくれた内容、その他もろもろを(時に脚色して)SNSに投稿する。
それをSNSトロール中に目ざとくみつけた他のおたくは、新規だの、お花畑だの、ブスだのなんだのと叩く。
そのやり合い、やられ合いの繰り返しだ。もっと、もっと私のほうが上だ、とお互いに火をつけあい、より双方はおたく活動を激化させる。
その争いの発展に推しはまったく介在していない。みんなに平等に接しているだけだ。

 

すげえ、といつも思う。
計算してるのかしてないのか、たぶんしてないんだろうけど、やっぱり天性のアイドルだと。
色恋みたいな営業はまったくしないのに、ガッツが自然につくし、離れない。お金も落とす。どんどん落とす。
ホストかなんかになってたらきっともっと稼げたんだろうなあと思うけど、ホストじゃなくてよかったとも思う。
破滅だ。そんなの。いくらあっても足りない。
いや、ホストだったら出会ってなかったか。それはそれで私はもっとまっとうな人生を送れた気もする。まあいいか。

 

わたしも井の中の蛙なので、気に入られたいし他とは違うファンでありたいと思いながらも、寸分の狂いもなくみんなに平等に接する推しの前にひれ伏すしかない。

せいぜい、名前を覚えているランク上位のファンに食い込めている、ということを確かめて満足することしかできない。
ただそこで消費するエネルギーでいっぱいいっぱいなので、ほかの元気なおたくみたいに叩き叩かれあうパワーはなく、いつも当たり障りのない投稿をして「雑魚ですよ」感を醸し出している。いや、感じゃなくて本当に雑魚かもしれない。


本当はどこにも何も投稿しなければいいんだろうけど、書いて「いつも現場には居ますよ」感を醸し出してしまうあたり、やっぱり雑魚だな。ていうか、俯瞰して眺めて理解者ぶってるやつが、一番タチ悪い気もする。 

自尊心と承認欲求とは、大人になっても引っ込んではくれない面倒なものだ。
それどころか、大人になればなるほど、絡みついてややこしくなっていく気がする。

 

推しの顔の造形はどこからみてもきれいで、きれいなものが好きなだけなのに、
なんでこんなにいろいろと拗らせたんだろうなあ。